— 単体性能/置き換え難度/色の穴埋め力でブレない評価軸 —
ドラフトで安定して勝つ人は、上位コモンを外しません。レアの有無より、毎回取れるコモンの質が勝率を決めます。本稿では、新セットでも迷わないように3つの指標で上位コモンを見抜く方法をまとめます。一つの考え方として参考になれば幸いです。
早見表
指標 | 何を見る? | どう評価する? |
---|---|---|
① 単体性能 | マナ効率・即時影響・カード差期待 | 出たターンから盤面/手札に確実に触れるなら高評価(例:軽量除去、到達2/3、ETBで1枚引く等)。 |
② 置き換え難度 | 同役割の代替の少なさ/質 | 同コスト帯に同等品が少ないほど価値↑(例:色で唯一の本格除去、唯一の到達2マナ)。 |
③ 色の穴埋め力 | その色の弱点補完 | 色が苦手な領域を埋める札は環境を問わず需要↑(例:緑の対空、青の実質除去、白の確実なカード差)。 |
3指標の合計で判断。①が高いことが前提で、②③が高いほど“上位コモン”候補になります。
指標①:単体性能(マナ効率・即時影響・カード差)
- マナ効率:同コスト比でサイズ/効果が優秀か。
- 即時影響:出たターンの盤面/手札に触れるか(除去・タップ・バウンス・到達ブロッカー・占術/ドロー)。
- カード差期待:2-for-1を取りやすいか(ETBで1枚引く、相手のオーラごと除去、戦闘トリックで相討ち以上)。
高評価の“型”例
- 2マナ 到達2/3/絆魂2/2:レース転換・対空・対アグロで即効性。
- 3マナ インスタント3点除去:ほぼ全レンジに触れる基本回答。
- 4マナ ETBで1枚引く2/3〜3/2:盤面+手札の両取り。
指標②:置き換え難度(代替の少なさ/質)
同じ役割のカードがいくつでも拾えるなら価値は下がる。逆に、その色で希少なら早取りの価値が跳ねます。
見るポイント
- 同コスト帯に似た札が何枚あるか(コモン・アンコ含め)。
- 役割が独特か(例:唯一の本体に触れる火力、唯一の墓地対策)。
- 枚数が積みやすいか(複数積んでも強い=上振れやすい)。
高評価の“型”例
- 緑唯一の到達2マナ/唯一の格闘
- 青で貴重な確定タップ継続系やバウンス+占術
- 白で稀少な生け贄除去や追放除去
指標③:色の穴埋め力(プラン補完)
色には得意/不得意があります。不得意を補う札は卓全体で需要が高いため、上位コモンになりやすいです。
色 | 苦手になりやすい領域 | “穴埋め”の型(例) |
---|---|---|
白 | 純粋なカード差 | ETBで1枚引く小型、オーラ剥がしで2-for-1 |
青 | 本体除去・地上受け | 確定タップ継続、-X/-0+到達ブロッカー |
黒 | 大型以外へのテンポ | 2マナ確殺域の除去、絆魂持ちでレース返し |
赤 | 飛行・継戦力 | 飛行持ち小型、占術/キャントリップ付きバーン |
緑 | 対空・直接除去 | 到達2マナ、格闘+サイズ上乗せ |
ケーススタディ(型で比較)
A. 「2マナ2/3到達」vs「2マナ2/2占術1」
- 単体性能:どちらも◯。到達は即・盤面、占術は即・手札品質。
- 置き換え難度:到達2/3が希少なら優先。
- 穴埋め力:緑なら到達が高評価、青なら占術持ちが色に合う。
→ 環境が飛行多め/緑弱点補完なら到達優先。
B. 「3マナインスタント3点除去」vs「3マナ3/2+ETB1ドロー」
- 単体性能:除去=即盤面、ETBドロー=2-for-1期待。
- 置き換え難度:確殺域の軽量除去が希少なら除去↑。
- 穴埋め力:白や緑ならドロー持ちが希少で評価↑。
→ 速い環境なら除去、遅い環境ならETB寄りに。
よくある罠と回避
- シナジー前提の“空回りコモン”(特定部品が無いと弱い)
→ 上位コモンは単体で機能が条件。 - ブロックできない3/1、オーラ依存
→ 上振れは強いが下振れの損失が大きい。Top枠に置かない。 - “似た札が多い”のに早取り
→ 置き換え可能なら後回しにして枚数を稼ぐ。
ミニ・スコアカード(印刷用)
各カードを0〜2点で採点し、合計4点以上を“上位候補”に。
- ①単体性能:0(遅い/空振り多)/1(状況次第)/2(即時強い)
- ②置き換え難度:0(代替多)/1(多少ある)/2(希少)
- ③色の穴埋め力:0(被り)/1(普通)/2(明確に補完)
まとめ
“強いコモン”は出たターンに触れ、代替が少なく、色の弱点を補う札です。
この3指標でTop3を仮決め→実戦で微調整すれば、新セットでも早期に安定ラインへ。次のドラフトは、まず上位コモンの型当てから始めてみてください。
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